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【税理士が解説】会社設立の資本金はいくらにする?損をしない決め方と税金の仕組み

2026年6月15日

【税理士が解説】会社設立の資本金はいくらにする?損をしない決め方と税金の仕組み

会社を設立するとき、多くの方が最初に悩むのが「資本金をいくらにするか」という問題です。

今の法律では「資本金1円」でも会社は作れます。ただ、実際のビジネスの場では1円スタートはおすすめできません。設立当初の資金繰り、銀行口座の開設・融資の審査に影響が出たりするケースもあります。

今回は、後から「失敗した」と後悔しないよう、税理士の視点から、税金的に損をしない資本金の正しい決め方を整理します。

目次

  1. 消費税が免税になる「1,000万円未満」のライン

  2. 赤字でも毎年かかる「均等割」のライン

  3. 設立時にかかる費用(登録免許税・定款認証代)

  4. 実務的な資本金の決め方

  5. まとめ

1. 消費税が免税になる「1,000万円未満」のライン

資本金をいくらにするかで、消費税負担が変わる「境目」があります。

資本金を1,000万円未満に設定すると、原則として設立から1期目・2期目の消費税納税が免除されます(インボイス登録をする場合は除きます)。逆に最初から1,000万円以上にしてしまうと、設立当初から消費税の納税義務が生じます。これは事業初期のキャッシュフローに大きく響くため、特別な理由がない限り1,000万円未満に抑えるのが定石です。

● 初年度から売上が伸びそうな場合は注意

資本金を1,000万円未満にしていても、設立から最初の6ヶ月間で売上と人件費(役員・従業員への給与)がどちらも1,000万円を超えると、2年目から消費税がかかる場合があります(特定期間の判定)。スタートダッシュで大きく稼ぐ予定がある方は、事前に税理士へ確認しておくと安心です。

2. 赤字でも毎年かかる「均等割」のライン

会社は決算が赤字でも、毎年最低限払わなければならない「法人住民税の均等割」があります。この金額は資本金と従業員数によって決まります。

資本金の額

従業員50人以下

従業員50人超

1,000万円以下

約7万円

約8.4万円

1,000万円超〜1億円以下

約18万円

約20万円

1億円超〜10億円以下

約29万円

約41万円

資本金が1,000万円を「1円でも超える」だけで、赤字でも毎年払う均等割が約11万円高くなります。特別な理由がない限り、最初の資本金はやはり1,000万円未満(実務では300万円・500万円など)に抑えるのが基本です。

3. 設立時にかかる費用(登録免許税・定款認証代)

会社を設立するときは、登記にかかる「登録免許税」のほか、株式会社の場合は「定款認証代」も必要です。どちらも資本金の額と関係しているので、あわせて確認しておきましょう。

● 登録免許税

株式会社は資本金の0.7%(最低15万円)、合同会社は資本金の0.7%(最低6万円)です。株式会社なら資本金が約2,142万円、合同会社なら約857万円までは、資本金の額をいくらに設定しても登録免許税は最低額のままです。

● 定款認証代(株式会社のみ)

株式会社を設立するときは、定款(会社のルールブック)を公証人に認証してもらう手続きが必要です。認証手数料は資本金の額によって3段階に分かれており、さらに紙の定款か電子定款かによっても総コストが大きく変わります。

紙の定款の場合は、認証手数料に加えて収入印紙代4万円が別途かかります。電子定款の場合は収入印紙が不要で、さらに資本金100万円未満なら認証手数料が1.5万円に下がります。

資本金の額

電子定款

紙の定款(収入印紙4万円込み)

100万円未満

1.5万円

7万円

100万円以上300万円未満

3万円

8万円

300万円以上

5万円

9万円

電子定款の作成には専用ソフトやICカードリーダーが必要なため、通常は行政書士・司法書士に依頼します。その代行費用(目安2〜3万円程度)はかかりますが、それでも紙の定款より総コストを抑えられるケースがほとんどです。

合同会社はこの定款認証手続き自体が不要なため、設立コストを抑えたい場合は合同会社が有利な点のひとつです。

株式会社の場合、登録免許税(最低15万円)+定款認証代(電子定款なら1.5〜5万円)で、設立時の実費だけで最低16〜20万円程度かかります。

4. 実務的な資本金の決め方

税金面を踏まえた上で、具体的な金額は次の2点から逆算するのが実務的な考え方です。

● 最初の3〜6ヶ月分の運転資金

会社を作ってから最初の売上が口座に入るまで、数ヶ月かかることはよくあります。その間の家賃・仕入・制作費・生活費などを合計し、「売上ゼロでも会社が倒れない金額」を資本金として入れておくのが最も安全です。

● 創業融資を予定している場合

設立直後に日本政策金融公庫などの融資を受けたい場合、資本金は「自己資金の証明」として見られます。借りたい金額の3分の1程度の資本金を用意しておくと、審査がスムーズに進みやすい傾向があります。

なお、飲食業・建設業・不動産業・古物商など許認可が必要な業種では、「資本金〇〇万円以上」という要件がある場合もあります。後から増資すると手続き費用が再度かかるため、設立前に確認しておくことをお勧めします。

まとめ

資本金は、「税金が最も安く済む1,000万円未満」の範囲内で、運転資金と融資計画を踏まえた金額(目安として100万円〜500万円程度)に設定するのがバランスの良い落としどころです。

「うちの業種だといくらが適切?」「融資を考えているけど、資本金はどう設定すべき?」といった疑問は、書類を作り始める前にぜひ一度当事務所へご相談ください。実際の数字をもとに、損のない出発点を一緒に整理します。

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